アダム キュー ビッツ 動脈 と は。 ☆メディカルニュース☆ バックナンバー アダムキービッツ動脈

1.5テスラMRIによるtime

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ステントグラフトとは、人工血管(グラフト)に針金状の金属を編んだ金網(ステント)を縫い合わせたものです。 ステントグラフト内挿術は、このステントグラフトをカテーテル(プラスチック製のチューブ)の中に納めて太ももの付け根から血管の中に入れ、患部で広げて血管を補強するとともに動脈瘤の部分に血液が流れないようにする治療です。 メスで切る部分が小さいため、患者さんの負担は小さく、入院期間が短くなり、歩いたり、食事をとったりすることが早くできるようになります。 他の病気が理由で外科手術を見合わせておられる方やご高齢の方への新しい治療法として普及している治療法です。 形態によっては困難な場合がありますが、初期成績は外科的手術と比べても良好な結果が報告されています。 ステントグラフト内挿術は、3DのCT画像と同期可能な血管造影装置を備えたハイブリッド手術室あるは血管造影室にて施行しています。 腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術 胸部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術 ステントグラフト内挿術により期待される効果 人工血管(ステントグラフト)の留置に完全に成功すれば、動脈瘤の部分は人工血管で密閉され、血液は瘤内には流れなくなり動脈瘤の縮小を得られます。 動脈瘤が縮小しなくても拡大が止まれば動脈瘤の破裂を防止できます。 ステントグラフト内挿術の合併症 ステントグラフトを用いた治療ではカテーテルを使用する一般的な血管内治療で起こる可能性のある不具合・有害事象に加えて、この治療に特有な不具合・有害事象が起こる可能性があります。 また、不具合が発生した場合、手術中や手術後に追加の治療が必要になり、緊急で開腹外科手術が必要となる場合もあります。 動脈瘤の術中破裂・死亡・開腹手術への移行• ステントグラフトの閉塞や狭窄 ステントグラフトが捻れたり、折れたりした状態で移植されてしまい、その内腔が狭くなったりつまったりすることがあります。 その場合、追加でカテーテル治療を行います。 ステントグラフトによる動脈壁損傷 留置したステントグラフトが患者さんの動脈壁を傷つけて、大動脈解離(大動脈壁に裂け目が入る疾患)を生じる可能性があります。 広範な解離を生じた場合は、外科手術が必要となる可能性もあります。 ステントグラフトによる側枝の閉塞 大動脈から分岐している大切な血管をステントグラフトでふさいでしまった場合、その血管によって養われている臓器に傷害が起こることがあります。 腹部大動脈瘤治療では腎動脈の直下にステントグラフトを留置するため、腎動脈を閉塞してしまった場合には、腎動脈にステントを留置して修復する場合があります。 胸部下行大動脈から分枝している脊髄を栄養する血管(アダムキュービッツ動脈)をステントグラフト内挿術により塞いでしまうことで、脊髄が虚血となり、両足の麻痺(対麻痺)を生じることがあります。 跛行 腸骨動脈に動脈瘤がある患者さんでは、ステントグラフト治療にともなって動脈瘤内への血流を遮断するために内腸骨動脈(骨盤内を栄養する血管)に対してコイル塞栓術(針金を用いて血管を詰める治療)を行います。 内腸骨動脈を閉塞した場合に、殿筋(おしりの筋肉)への血流が低下し、跛行(歩くとおしりがだるくなる症状)が出現することがあります。 性機能障害 男性では内腸骨動脈(骨盤内を栄養する血管)を閉塞した場合に、骨盤内臓器の血流が低下し、性機能障害が出現することがあります。 ステントグラフトの移動や破壊 患者さんの血管へステントグラフトがうまく固定されず、血流に押し流されて人工血管が移動したり、患者さん自身の大動脈の形態が数年の経過で変わることで、ステントグラフトが移動する場合があります。 その場合は、ステントグラフトを新たに追加したり、外科手術が必要となる場合があります。 塞栓症 動脈瘤の壁には血栓がついており、瘤の部分以外でも動脈硬化のために動脈の内側にプラーク(粥腫)が付着していることがあります。 カテーテルの操作中に患者さんの動脈瘤の壁や動脈壁についている血栓やプラークが血流に押し流され、脳や内蔵などの血管をつまらせてしまうことがあります。 これにより脳梗塞、腎不全、腸管虚血、下肢虚血などが引き起こされる可能性があります。 全身性の塞栓症が起こると、多臓器不全となり生命にかかわることがあります。 血管関連の合併症:.

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【保存版】大動脈瘤まとめ!症状から破裂しやすい動脈瘤、治療まで!

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ステントグラフトとは、人工血管(グラフト)に針金状の金属を編んだ金網(ステント)を縫い合わせたものです。 ステントグラフト内挿術は、このステントグラフトをカテーテル(プラスチック製のチューブ)の中に納めて太ももの付け根から血管の中に入れ、患部で広げて血管を補強するとともに動脈瘤の部分に血液が流れないようにする治療です。 メスで切る部分が小さいため、患者さんの負担は小さく、入院期間が短くなり、歩いたり、食事をとったりすることが早くできるようになります。 他の病気が理由で外科手術を見合わせておられる方やご高齢の方への新しい治療法として普及している治療法です。 形態によっては困難な場合がありますが、初期成績は外科的手術と比べても良好な結果が報告されています。 ステントグラフト内挿術は、3DのCT画像と同期可能な血管造影装置を備えたハイブリッド手術室あるは血管造影室にて施行しています。 腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術 胸部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術 ステントグラフト内挿術により期待される効果 人工血管(ステントグラフト)の留置に完全に成功すれば、動脈瘤の部分は人工血管で密閉され、血液は瘤内には流れなくなり動脈瘤の縮小を得られます。 動脈瘤が縮小しなくても拡大が止まれば動脈瘤の破裂を防止できます。 ステントグラフト内挿術の合併症 ステントグラフトを用いた治療ではカテーテルを使用する一般的な血管内治療で起こる可能性のある不具合・有害事象に加えて、この治療に特有な不具合・有害事象が起こる可能性があります。 また、不具合が発生した場合、手術中や手術後に追加の治療が必要になり、緊急で開腹外科手術が必要となる場合もあります。 動脈瘤の術中破裂・死亡・開腹手術への移行• ステントグラフトの閉塞や狭窄 ステントグラフトが捻れたり、折れたりした状態で移植されてしまい、その内腔が狭くなったりつまったりすることがあります。 その場合、追加でカテーテル治療を行います。 ステントグラフトによる動脈壁損傷 留置したステントグラフトが患者さんの動脈壁を傷つけて、大動脈解離(大動脈壁に裂け目が入る疾患)を生じる可能性があります。 広範な解離を生じた場合は、外科手術が必要となる可能性もあります。 ステントグラフトによる側枝の閉塞 大動脈から分岐している大切な血管をステントグラフトでふさいでしまった場合、その血管によって養われている臓器に傷害が起こることがあります。 腹部大動脈瘤治療では腎動脈の直下にステントグラフトを留置するため、腎動脈を閉塞してしまった場合には、腎動脈にステントを留置して修復する場合があります。 胸部下行大動脈から分枝している脊髄を栄養する血管(アダムキュービッツ動脈)をステントグラフト内挿術により塞いでしまうことで、脊髄が虚血となり、両足の麻痺(対麻痺)を生じることがあります。 跛行 腸骨動脈に動脈瘤がある患者さんでは、ステントグラフト治療にともなって動脈瘤内への血流を遮断するために内腸骨動脈(骨盤内を栄養する血管)に対してコイル塞栓術(針金を用いて血管を詰める治療)を行います。 内腸骨動脈を閉塞した場合に、殿筋(おしりの筋肉)への血流が低下し、跛行(歩くとおしりがだるくなる症状)が出現することがあります。 性機能障害 男性では内腸骨動脈(骨盤内を栄養する血管)を閉塞した場合に、骨盤内臓器の血流が低下し、性機能障害が出現することがあります。 ステントグラフトの移動や破壊 患者さんの血管へステントグラフトがうまく固定されず、血流に押し流されて人工血管が移動したり、患者さん自身の大動脈の形態が数年の経過で変わることで、ステントグラフトが移動する場合があります。 その場合は、ステントグラフトを新たに追加したり、外科手術が必要となる場合があります。 塞栓症 動脈瘤の壁には血栓がついており、瘤の部分以外でも動脈硬化のために動脈の内側にプラーク(粥腫)が付着していることがあります。 カテーテルの操作中に患者さんの動脈瘤の壁や動脈壁についている血栓やプラークが血流に押し流され、脳や内蔵などの血管をつまらせてしまうことがあります。 これにより脳梗塞、腎不全、腸管虚血、下肢虚血などが引き起こされる可能性があります。 全身性の塞栓症が起こると、多臓器不全となり生命にかかわることがあります。 血管関連の合併症:.

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大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術

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もくじ• はじめに さまざまな医療機器の発達によって、体で最も大きな血管である大動脈の病気がよく見つかるようになってきました。 また、それまでお元気で暮らしていたのに、突然あっという間に命を奪われた方の原因の一つが、急性大動脈解離という大動脈の病気であることもよく知られるようになってきました。 大動脈の病気ができていても、実はその症状が出ない場合がほとんどです。 この病気は、知らず知らずの間に病気が進行する"沈黙の病気"であり、しかも、突然命にかかわる深刻な事態になる切実であなどれない病気です。 しかし、大動脈の病気がどのようにできるのか、さらに大動脈の病気が見つかったときに、その病気とどうつきあっていくかなどについての知識を身につけておけば、この病気の危険性をより低くすることができ、適切な治療をタイミングよく受けることができるのです。 この小冊子では、大動脈の病気の中で最も多い大動脈瘤と大動脈解離についてぜひ知っていただきたいポイントを解説します。 大動脈瘤とは? 大動脈は、心臓から押し出された血液が最初に通る、人体の中で最も太い血管です。 大動脈は樹木のように細かく枝分かれしながら、体のすみずみまで血液を運んでいます。 その樹木の幹に当たる大動脈は、〈図1〉のように心臓から出てまず頭側に向かいます。 英語の疑問符"?"のように弓状に曲がりながら脳や、左右の腕に栄養を運ぶ3本の動脈に枝を出し、幹の部分は背中側に回り下半身へ向かいます。 その途中でもさまざまの重要な臓器へ枝分かれしていきます。 大動脈瘤は、この大動脈(通常は20~30mm程度)が"こぶ"のように病的にふくらんだ状態(30~40mm以上)を指します。 図1 大動脈の流れ 図2 部位別の大動脈瘤 〈図2〉は、後半で解説する、動脈瘤の部位別の治療のところでも必要になりますから、よく見ておいてください。 大動脈瘤の原因と種類 なぜ"こぶ"ができるのでしょうか。 大動脈瘤は大動脈の壁が弱くなっている部分がふくらんでできると考えられています。 その理由は完全に解明されたわけではありませんが、動脈硬化、高血圧、喫煙、ストレス、高脂血症、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群、遺伝などのさまざまな要因が関係すると考えられています。 その他にも外傷や感染・炎症などによる特殊な大動脈瘤があります。 大動脈瘤はそのでき方から、〈図3〉のように、「真性」、「仮性」、「解離性」の3種類に分けられています。 真性瘤は大動脈の壁があたかも風船がふくらんだように薄くなったものです。 仮性瘤は本来の大動脈の壁がなくなり周囲の組織が新たな壁となっているものです。 ですから、すでに破裂している状態とも言えるので、早急な処置が必要です。 図3 大動脈瘤の3つのタイプ 解離性瘤は、大動脈の壁が解離(二つの層に壁が剥がれること)し、弱くなってしまった結果として発症します。 急激に動脈が拡張し破裂することが知られています。 大動脈解離のこと とくに深刻なのは解離性瘤で「大動脈解離」と呼ばれ、よく理解していただく必要があります。 〈図3〉を見てもらいながら話を進めます。 動脈は内膜、中膜、外膜の3層に分かれています。 中膜がなんらかの原因で裂けて、もともとは大動脈の壁であった部分に血液が流れ込むことで大動脈内に二つの通り道ができる状態が大動脈解離です。 大動脈解離は、ほとんどの場合、 何の前触れもなく突然の胸や背中の激痛とともに起こります。 また、起こったばかりの時は、血管が裂けているため血管の壁が薄くなり、きわめて破裂しやすい状態にあります。 つまり、48時間以内におよそ半分の患者さんが亡くなることになります。 突然、胸や背中に激痛が生じ、この病気が疑われる場合は、とにかく一刻も早く救急車を呼んで医療機関を受診し、治療を受ける必要があります。 時間がたって比較的安定した状態になっても、一度解離した大動脈は、もろく弱くなっていることが多く、大きな"こぶ"に拡大していくことも珍しくありません。 ですから定期的に受診して経過をみてもらう必要があります。 いずれの大動脈瘤も、その形から、全体的にふくらんだタイプ(紡錘[ぼうすい]状瘤)と、部分的にふくらんだタイプ(嚢状[のうじょう]瘤)に分けられます。 二つの形が混ざり合ったものもあります。 一般的には同じ大きさであれば嚢状瘤の方が破裂の危険性は高いと考えられています。 大動脈瘤の症状は? 胸部の場合 胸部大動脈瘤は自覚症状がないまま大きくなる場合がほとんどです。 "こぶ"が大きくなり、周囲の組織が圧迫されるようになると症状が現 れる場合がありますが、比較的まれです。 現れやすい症状は、声帯の動きをつかさどっている神経(反回神経)が"こぶ"で圧迫されて起こるしわがれ声(嗄声[させい])や食べたものが気管に入ってしまうこと(誤嚥[ごえん])などがあります。 腹部の場合 腹部の場合も自覚症状がほとんどないので、知らない間に大きくふく らんでいることが多いのです。 やせている方だと、"こぶ"が目立つようになり、"こぶ"の中を流れる血流の拍動を感じられることもありますが、大多数の患者さんには分かりません。 ですから、他の病気でたまたま腹部の超音波検査やCT検査を受けた時に初めて発見されることがほとんどです。 大動脈瘤の破裂が差し迫った場合は、胸部大動脈瘤であれば胸痛や背中の痛みが、腹部大動脈であれば腹痛や腰痛が起こります。 瞬間的な痛みではなく、持続する強い痛みであることが特徴です。 破裂してしまうと、出血多量で急速に危険な状態に陥り、救命することが非常に難しくなります。 症状が強い場合は、破裂や急激な拡大が疑われますので、かかりつけ医に急いでご相談ください。 最も重要なことは、大動脈瘤があると診断された場合は、定期的に受診しCT検査などで"こぶ"の大きさをチェックして経過を観察してもらうことです。 破裂して緊急手術となるような事態を避け、経過を観察し適切なタイミングで手術を受ければ、成功率のきわめて高い治療となります。 大動脈瘤と診断されたら... 日常生活での注意 原因の項目でお話ししたように、日常生活での高血圧、高脂血症、糖尿病、喫煙などが大動脈瘤の発症に大きくかかわっています。 その予防には、こうした危険因子を避けることが極めて重要です。 大動脈瘤と診断された場合、"こぶ"を完全に治すことは内科治療では難しく、"こぶ"とうまくつきあっていくことが肝心です。 破裂する危険がある大きさになっていなければ、手術をする必要はほとんどありません。 毎日、血圧を測定し、かかりつけ医によく相談すること• 暴飲暴食をしないこと• 禁煙すること• 便秘に注意すること(息むと血圧が上がってしまいます)• 入浴の際には熱すぎる湯にはつからないようにすること(急激な温度変化を避けること)• ストレスを避け、イライラしないことなどの注意点をしっかり守り、実行することです。 とにもかくにも、無理を避け、安らかな生活を心がけましょう。 大動脈瘤の治療は? いったん大動脈がふくらんで"こぶ"となってしまうと、薬を飲んでもそれを小さくすることはできません。 原因の一つと考えられている高血圧や高脂血症に注意し禁煙するなど生活習慣を改善することで、ある程度"こぶ"を大きくなりにくくするようにはできますが、確実に大きくなるのを防げるとは限りません。 治療の原則は"こぶ"を破裂させないことです。 破裂した場合、10~20%程度の方しか救命できないと言われています。 運よく病院に運ばれても、成功率が低いことが知られています。 ですから、破裂の危険性がある場合は、未然に大動脈瘤を手術することが望ましいのです。 破裂の危険性は"こぶ"の大きさが一番の目安になります。 胸部大動脈瘤であれば55~60mm、腹部大動脈瘤であれば45~50mmがその目安となります。 手術は十分な準備をすれば、ほとんどの場合、安全に行うことが可能です。 その準備として、全身の様々な検査、心臓、肺、脳などの画像検査や血液検査をして適切な手術の方針を検討します。 〈図4〉に、動脈瘤に対する治療方針を示しました。 いずれに該当するかによって方針が決まります。 図4 動脈瘤に対する治療方針 人工血管置換術 従来から行われている手術に、大動脈瘤の部分を切除して人工血管に置き換える「 」があります。 人工血管は合成繊維のポリエステル(ダクロン)でできており、長期間にわたる十分な耐久性があります。 開胸、または開腹して行う人工血管置換術は長い歴史があり、手術後の経過や起こりうる合併症などの予想がつきやすいのが特徴です。 〈図5〉は、動脈瘤のできた部位ごとに、人工血管で置き換えたことを示しています。 図5 人工血管置換術 この治療で"こぶ"はなくなり、追加の治療が必要になることはほとんどありません。 "こぶ"のできた部位によっては、まだまだ体の負担が小さくない手術ですが、様々な改良が加えられて、近年は安全性の高い治療になってきました。 ステントグラフト留置術 これまで大動脈瘤手術は、人工血管置換術が大半を占めていましたが、最近は「」と呼ばれる、体の負担の少ない血管内治療が盛んに行われるようになりました。 人工血管置換術は、開胸、開腹して手術するので、大きな傷口(創)をつくらねば手術ができませんでした。 しかし、留置術は〈図6〉のように、足の付け根(鼠径部)の小さな創から、カテーテルという細い管を使って、折りたたんだ人工血管(ステントグラフト)を大動脈瘤の中に留置する方法ですので、体の負担がとても小さくなります。 図6 ステントグラフト留置術と胸部、腹部のステントグラフト 〈図6〉は、折りたたみ、細い管として挿入されたステントグラフトが、大動脈が両足に分かれる部分のやや手前にできた腹部大動脈瘤のところで、"もともとの大きさに広がり"、つまり、動脈の太さになって留置されたことを示しています。 結果として、弱くなった壁であるこぶの内側に新しい強い壁ができることとなり、破裂を防ぐことができると考えられます。 体の負担が少ない(低侵襲といいます)のが特長で、高齢の患者さんや従来の手術では危険性が高い患者さんを中心にこの方法を実施しています。 以前であれば体の負担の大きさから大動脈手術をあきらめざるを得なかった患者さんにとって大きな福音となっています。 この手術は全身麻酔で行いますが、全身麻酔ですら負担になる患者さんには、局所麻酔で行うこともあります。 最近では、90歳以上でステントグラフト留置術を受ける患者さんもめずらしくありません。 しかし、どの患者さんにも使えるとは限りません。 また、大動脈瘤自体は必ずしもなくなるわけでなく追加の治療が必要になることも少なくありません。 結果的に、従来の人工血管置換術の方が良い選択になる場合もあるのです。 ですから、患者さんのご希望を踏まえ、病状や年齢に応じた治療法をお勧めすることになります。 最も重要なことは、体の負担が軽いステントグラフト治療が、患者さんの状態によっては最善の治療ではない場合もあり、医師から説明を聞き、これらの治療法の長所と短所をよく理解したうえで、治療法を選択していただくことです。 ハイブリッド治療 心臓から大動脈が流れ出てすぐの弓状(?の形)のところや腹部では、動脈が枝分かれしています。 この部分の大動脈瘤を、人工血管に置き換える時には、枝分かれした動脈にも血液が流れるようにつなぎ直します。 しかし、ステントグラフトを留置した場合には、枝分れの入り口をふさいでしまうことから枝分かれへの血流がストップしてしまいます。 そこで、そのような場所にステントグラフトを留置する場合には、枝分かれした動脈がふさがれても血液が流れるよう新しい通り道を作るバイパス手術をまず行ってから、ステントグラフト留置術を行います。 この方法は、複数の方法を組み合わせて行うので「ハイブリッド治療」と呼ばれています。 大動脈瘤の部位別の主な治療法 1)大動脈基部 心臓から大動脈が流れ出す場所を「大動脈基部」と言います。 特に、血縁者に急性大動脈解離を発症した方がいらっしゃる場合は、比較的早期の手術が望ましいと考えられています。 この場所の大動脈瘤は大動脈弁にも異常があることが多く、弁の手術と動脈の手術を同時に行う基部置換術が一般的です。 自分の大動脈弁(自己弁)を残す方法と、人工弁(金属性の機械弁か、ブタなどの弁を使う生体弁)に取り換える手術の二通りの方法があります。 ステントグラフトは使用できません。 自己弁か、それとも人工弁にするかについてもう少し説明します。 【自己弁を温存する手術】(デービット手術) 患者さん自身の大動脈弁を残し、基部を作り替える方法です。 人工弁を使わないので、当然、人工弁に伴う問題がありません。 比較的歴史が浅い手術ですが、これまでのところ良好な結果が報告されています。 大動脈弁が傷み、逆流が認められる患者さんの場合、以前は、人工弁を使用せざるを得なかったのですが、患者さんの弁を修復する技術が進み、近年は自己弁を活用するケースが増えています。 【人工弁を使う手術】(ベントール手術) 自己弁の使用が困難な患者さんには、ベントール手術という人工弁を用いる方法で治療します。 こちらは40年以上前から行われ、安定した良好な長期成績が得られています。 ただし人工弁として機械弁を使用した場合、血液をさらさらにし血栓ができにくくするワーファリンという薬を生涯にわたり服用する必要があります。 また、生体弁を使用した場合は、ワーファリンの内服は不要ですが、生体弁が次第に劣化するので、10~15年後にもう一度手術を行って取り換えることが必要になります。 弓部大動脈にできるのが弓部大動脈瘤で、比較的日本人に起こりやすいと言われています。 体に負担がかかり、手術後、特に脳障害(脳梗塞、脳出血など)が発生する可能性があります。 しかし、以前に比べ安全性はきわめて高くなり、この部位の大動脈瘤には確実で大多数の患者さんにお勧めできる治療になっています。 高齢の方で、人工血管置換術では体の負担が大きすぎると判断した場合に、脳へ栄養を送っている血管に新たな通り道を作った上で、ステントグラフトを留置することもあります。 また、動脈瘤が広い範囲に渡り存在している場合には、これら二つの方法を組み合わせることも行っています。 大きな枝分かれがないため、従来行われていた人工血管置換術より、ステントグラフト治療が行われることが多くなってきました。 ただし、弓部に近い位置に"こぶ"ができた場合や、解離性大動脈瘤の場合は、人工血管置換手術の方が望ましいケースもあります。 胸腹部大動脈瘤は、文字通り胸部から腹部にわたる広範囲に発生する大動脈瘤です。 "こぶ"の場所によって四つのタイプに分類します〈図7:クロフォード分類〉。 手術もタイプによって人工血管に置換する範囲が変わります。 図7 クロフォード分類 腹部の重要な臓器に栄養を送る大切な動脈が枝分かれしており、人工血管置換術を行うことが多いのですが、状況に応じてすでに説明しましたようにハイブリッド治療をすることもあります。 下行大動脈瘤や胸腹部大動脈瘤の手術で、合併症として脊髄障害が起こることがあります。 これは、下行大動脈または胸腹部大動脈から、背骨の中にある脊髄という太い神経の束を養う血管が枝分かれしていることに関係しています。 下行大動脈や胸腹部大動脈を人工血管で置換すると、脊髄への血液の流れが悪くなってしまうからと考えられています。 この血流障害で、脊髄が部分的に壊え死しすることがあります(脊髄梗塞)。 その結果、脳からの電気刺激が足へ伝わらず、足が動かなくなり(対麻痺)、排尿、排便が困難になる膀胱直腸障害が起こることがあります。 脊髄障害を完全に予防する方法は、世界中の研究者が取り組んでいますが、いまだありません。 しかし、CTやMRIによる検査で、脊髄への血液の流れに大きくかかわっている血管(アダムキュービッツ動脈)を手術前に確認しておくことや、手術中に低体温、肋間動脈の再建、脳脊髄液ドレナージなどの多種多様な方法をとることで、脊髄障害の発生率は劇的に改善されてきました。 4)腹部大動脈 腎臓へ血液を送る腎動脈よりも体の下側にある大動脈です。 この部位の大動脈瘤は動脈硬化がより強く関係していると考えられています。 男性は女性に比べて5倍の有病率があり、特に60歳以上になると増えてきます。 喫煙習慣や高血圧、家族歴がある人も腹部大動脈瘤になりやすいといわれています。 治療は、70歳代以下の方にはおなかを開ける必要のある人工血管置換術を、70~80代以上には体の負担の少ないステントグラフト治療を行うことが多くなってきました。 どちらかにするかは、患者さんの状態や既往歴、あるいは大動脈瘤の形を把握した上で、ご希望を踏まえ決定していくこととなります。 新しい試み:皮膚小切開手術 胸部の大動脈手術は、体への負担が大きく、手術のための皮膚切開を小さくする必要がありますが、小さくすると、見える部分が狭くなり外科医の手術操作がしにくくなり、かえって危険になります。 実際には、のど元からみぞおちまで皮膚を切開し、さらにその下に ある胸骨を縦に切開し、心臓や大血管全体を見えるように実際の皮膚所見(上段:胸部手術、下段:腹部手術)して手術をする必要があります。 しかし、その代償として手術後の創の痛みや、大きな傷跡が残り、美容上の問題が生じます。 図8 皮膚小切開手術の成果 実際の皮膚初見(上段:胸部手術、下段:腹部手術) そこで、これらの問題を最小限に抑えるため、近年の手術成績が安定してきたことを踏まえ、安全性を損なうことなく、症例に応じて創を小さくする皮膚小切開手術が行われるようになってきました〈図8〉。 また、腹部大動脈瘤手術でも可能な範囲(動脈瘤の範囲が小さい場合など)で、皮膚小切開手術をしています。 この方法で手術の侵襲を小さくすることができると考えられます。 手術侵襲が軽くなれば、早期回復や手術創が小さくなるという美容的な面と共に医療費削減に貢献できると期待されています。 おわりに 繰り返しになりますが、大動脈瘤はいったん破裂すると治療は極めて困難になり、手術をしても助かる可能性は低くなります。 ですから破裂の可能性がある大きさの動脈瘤が見つかれば、破裂する前に治療するのが大原則です。 「手術を受ける」と決断するのは、大変困難で勇気がいることです。 しかし、最近は手術の成績も飛躍的に向上しています。 主治医の説明をよく聞いて、納得のいく決断をされるようお勧めいたします。

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