俺 の 話 は 長い かい せい。 ブラッディ・マンデイ 動画

罪悪感の心理学5~誰かのせいにしてしまうのはなぜ?~

俺 の 話 は 長い かい せい

茜色した細長い雲。 柔らかい黄金色の日差しがガラス窓に反射するこの時間。 「あれ、みおちゃんもう帰るの? 早くない?」 今日の最終講義が終わり、持参したバックに丁寧に荷物を詰めて帰る準備を始めている澪を見て不思議そうに声をかける七海。 講義が終わったのなら大学を出るのが普通であるが、澪は真面目が故に疑問を持たれるのだ。 「ええ、そのつもりだけど……。 どうかしたの?」 「いやぁ、いつもみおちゃん居残りで勉強してるから今日も残るのかなぁーって思ってて」 「居残りしている日が多いのは間違いないけれど、毎日じゃないわよ?」 七海は彼氏と一緒に帰る約束をしている。 彼氏の連絡が来るまで看護大学で待機していることで澪が居残りをしていることを知っているのである。 「あー。 そういえばみおちゃん、月曜日だけは早く帰ってない?」 「ええ、その通りよ」 「習い事とか何かしてるの? みおちゃんのことだからしててもおかしくはないけど……」 「ううん、そんな立派な用事じゃないわ。 飲酒店よ」 「んえっ!? 飲酒店!? みおちゃんお酒飲むの!? 」 「私だって嗜む程度には飲むわよ。 そんなに驚かなくてもいいと思うのだけれど……」 今までに酒の話題を出したことがなかったからこそ、七海は驚嘆を示す。 澪が酒の席に通い出したのは半年ほど前のことである。 「飲酒店ってことはBarに行く感じだよね!? 」 「ええ。 私のお母さんの知り合いが経営しているお店で良くしてもらっているの。 今度七海も一緒に行ってみない?」 「んー、うちはいいかな! お酒にあんまり詳しくないし、Barとかオシャレなお店はどうしても気後れしちゃうから」 「それは残念……。 でも、足を運びたくなったらいつでも教えてほしいわ」 「うん、ありがと! そうさせてもらうねっ!」 笑顔でそんな約束をする二人。 性格が全然違う澪と七海だが、流石は親友と呼べる仲。 これから先も良い関係を築けていけるだろう。 「でも、みおちゃんは美人さんなんだから気をつけるんだよ? そういうトコって結構絡まれるって聞くもん。 今までに絡まれたりしたことあるんじゃない?」 「お酒が入る場所だから絡まれたりはするわよ……。 でも、大丈夫。 バーテンさん ( 、、、、、、 )がいつも助けてくれるから」 「ふぅん」 柔和な声色で安心げに答える澪は微笑を浮かべている。 澪が絡まれていた時に助けてくれたバーテンダーのことを忘れることはない。 酒の影響で、傲慢な態度や敵意をもって当たってくる客を冷静に対処し、絡まれている側への気遣いも忘れなかった あの人 ( 、、、、 )。 自身に余裕があるからこそ出来る対応であり、澪は見惚れるようにあの時の経験を記憶に刻んでいた。 「信頼してるんだねぇー、みおちゃん。 そのバーテンさんを」 「な、なにか言いたげね……」 片方の口角をあげてニマッとしている七海に、ジト目で訴える澪。 「いやぁ、みおちゃんが幸せそうに語ってたからそのバーテンさんのことを気に入ってるんだろうなって」 「し、幸せそうには語ってないわよ……」 「あー、あれか! あれでしょ!! そのバーテンさんをお世話したい……みたいな! みおちゃん過保護だし、なんか年上好きそうだし!! 」 看護大学を卒業すれば、看護師や保健師の国家資格を生かして総合病院や国公立、私立の大学病院等に就職することになる。 怪我や病気で生活が不自由になった人のお世話をする職だ。 世話嫌いなら長く勤めることは難しく、この大学に進学していないだろう。 「もぅ、どうしてそうなるのよ。 どうして年上好きだと思われているのかも分からないし……。 そのバーテンさん私達の一つ年下よ?」 「え、ちょっえっ!? バーテンなのに年下!? ご年配の方じゃなくて!? 」 バーテンダーと聞いて二十代を浮かべられる者はほぼいない。 9割型、四、五十代がしているイメージがあるはずである。 その理由としては専門的に酒を扱う仕事だからで……七海も後者のイメージを持っていた一人だった。 「ふふっ、その人はバイトだけれどね。 そのBarで一年くらい働いているらしいわ」 「ふーん。 なるほどなるほど。 そー言うことだったんだねぇ……」 「そう言うこと……?」 「いやぁ、みおちゃんはその人のことが気になってるんだーってねぇ?」 「ど、どうしてそうなるのよ……っ」 「だってさー、そのバーテンさんは月曜日のシフトに入ってるわけだよね? そしてみおちゃんは月曜日だけ早く帰る。 つまり、そのバーテンさんに会うために予定を合わせてるようなもんじゃん!」 「……」 「ほらぁ、なにも言えない」 得意げな表情で追求する七海は、じわじわと顔を近づけてくる。 「ち、違うわよ……。 少しぼーっとしていただけ」 「ほー、じゃあ説明してよ。 出来るはずだよねー?」 「……そ、それは……。 その……」 頭の回転が早く、言葉を繋ぐことが得意な澪だったが声を吃らせてしまう。 七海の発言が的を得ていたのだ……。 こうなってしまうのも仕方がない……。 そしてーーあの人のことを脳裏で浮かべてしまった澪は、両手をもじもじとさせながら顔を伏せてしまう。 「ほらー、言葉が出てこないじゃん! 好きな人の話題でおかしな反応をしてると思ったらそういうことだったのかぁ〜。 なるほどねー、なるほどねぇ!! 」 「だ、だから違うのっ! わ、わたしはその人のことを好きなわけじゃないのっ!」 「まぁまぁ、いいじゃんいいじゃん! 好きな人が出来たってさ! 「は、話を聞いて……っ!! 」 「でもぉー。 好きな人を相談してくれるって言ってたのにみおちゃんってば酷いよ〜。 もう出来てたんじゃん!」 にひひ、とからかいの笑みを見せながら澪の肩をバシバシと叩く七海。 先ほどの反応を見れば誰がどう見ても『その人のことが好き』と捉えるだろう。 「だ、だから 違 ( ちが )ーー」 「ーー今ままで散々男を切ってきた理由はソレだったんだねぇ。 みおちゃんはその人に夢中ってことかぁ」 親友の仲だがらこそ 執念 ( しゅうねん )深いからかいをしてくる。 だがしかし、それは仕方がないことでもある。 今まで澪に色恋沙汰の話は何もなかったのだから。 澪にも彼氏が出来るかもしれない……なんてことは、七海にとっても嬉しい話題であった。 「ほらぁ、早く帰らないとそのバーテンさんに会えないよ? たっくさん時間作るために急いで帰りなさいな?」 「も、もうっ!! もう知らない……っ」 追求の嵐、からかいの旋風に 容量 ( キャパ )がオーバーしたのだろう。 夕日に負けないほどの赤みを帯びた澪はバッグを抱えて教室を走りさったのであった。 **** 「あちゃあ、からかいすぎた……。 これは謝らないとだ……」 逃げ去るように帰った澪を見て独り言を零す七海は、スマホから LAIN ( らいん )を開く。 そして、『さっきはごめんね!』と顔文字つきのメールを送った。 罪悪感を覚えながらスマホを閉じる七海は……ゆっくりと自席の椅子に腰掛けた。 (……でも、あの男斬りのみおちゃんが好きになった人……か。 一体どんな人なんだろうねぇ) なんて心の中で呟きながら彼氏からのメールを待つ七海であった。

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18話 桜と手を繋いで寝た。

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私達はついつい誰かのせいにしてしまいたくなるときがありますし、また、思いもかけない時に自分のせいにされたりします。 そんな心理と対処法をレクチャーします。 私たちは何か都合の悪いことがあると誰かのせいにしたくなります。 そんなときは誰かのせいにしてその人を責めてる時だけ、自分を責めなくて済むのです。 だから、誰かのせいにしてしまうときは、それくらい自分を責めているのです。 つまり「俺が本当は悪いんだ」という罪悪感をいっぱい溜め込んでいて自分を罰し続けているんですね。 だから、もしあなたが何かの出来事を誰かのせいにしたくなったときは、それくらい自分が罪悪感を抱えて苦しんでいることに着目してみましょう。 「後悔」もそういう意味では似ています。 後悔というのは、過去の自分を責めている姿です。 また、こうした誰かのせいにしたい心理(罪悪感)というのは連鎖しやすいですね。 例えば誰かがあなたのせいにして「あなたが悪いのよ」って言ったとします。 そうすると、あなたは怒りの余り「いや、あなたの方が悪いよ」って仕返したり、「いや、それは根本が悪いって」って別のだれかのせいにしたくなったりもするんですね。 だから、この連鎖を断ち切ることもいい人間関係を築く秘訣の一つになります。 本当は傷つけたくない人のせいにしてしまうんです(そして、その大切な相手を傷つけてしまうことが多いのです)。 また、それ以上に「そんなに自分を責めなくてもいいのに」と感じることも多いのです。 例えば、一生懸命ご主人を責めている奥さんのお話を聞いていて、とても痛々しく感じることがあります。 口ではご主人のことを本当に極悪人のように言うんだけど、その表情や内面は自分自身を悪魔のように扱ってるように見えたりするんです。 私達は大切な人には自分を分かってもらいたい、受け入れてもらいたいという欲求を抱きます。 だから、自分が苦しい時もそんな身近な人に自分の気持ちを分かってもらいたい欲しいと思うんですね。 この「わかって欲しい」という気持ちの表れとして、相手への攻撃というスタイルが意外にも良く使われるのです。 お世辞にもうまいやり方とは言えませんが、隠れた依存心や激しい自己嫌悪が時にこうした心理を生み出すようです。 だから、誰かのせいにするときというのは、本当に酷く自分を扱い、攻撃している時なんですよね。 でも、自分のせいにされて嬉しい人はいませんから、結果的には大切な人から順に失っていくことになってしまうのですが・・・。 今のあなたは自分一人では持ちきれないくらいしんどいのではないでしょうか? 甘えたいのかもしれないし、どうにもならないことでもがき続けているのかもしれないし、現実を受け入れられないのかも知れません。 行き場の無い感情で自分が本当にいっぱいいっぱいになっていることに、ただ目を向けてみるだけでいいのです。 そして、できれば誰かにそれを聞いてもらいましょう。 カウンセリングというのはそういう時にはとても効果を発揮します。 匿名でも構いませんし、相手を信頼できるかどうか分からなくてもいいです。 ただ、思いのたけを吐き出す場を作ってみてください。 あなたが大切な人を失わなくて済むために、そうした「助けを求める」ことが求められていると思ってください。 そして、自分自身を許し、罪悪感を手放すためのきっかけにしてみましょう。 先ほどの「本当は大切にしたい人のせいにする」という話を思い出してみましょう。 つまり、とても信じられないかも知れないけれど、相手の人はあなたに対して信頼や甘えたい気持ちを抱いていることが多いんです。 それは隠れたところにある依存心が見せるもの。 それを素直に正直にあなたに言ってくれたら分かりやすいんですよね。 でも、恥ずかしさやプライド、はたまた「誰かに頼ったことがない」などの理由から、うまく表現できないわけです。 もちろん、こちら側としては感情的には全然面白くありませんし、むかつくし、悔しい思いをするでしょう。 でも、そこは自分の器を広げるチャンスだと思ってください。 そして、悪循環の連鎖を断ち切るチャンスでもあります。 もしあなたに小さなお子さんがいてジュースをこぼしちゃったとします。 「お母さん(お父さん)が悪い~」 って子どもが言ったら、あなたはそれを真に受けて「お母さんが悪いんじゃないわよ!あんたが悪いんじゃないの!」って言いますか? もちろん、そういう時もあろうかと思いますが、多くの場合は「はいはい、ごめんなさいね」って受け入れてあげようとすると思います。 もちろん、子どもの場合と他人の場合では違いますし、この話が全てにおいて活用できるとは思いませんが、人間関係においてあなたの器を広げるために、大きな心で受け入れるチャレンジしてみてはいかがでしょうか。 「あなたが悪いんじゃないよ」という目で相手を見つめられたら、なお、素晴らしいでしょう。 「そんなに自分を責めなくてもいいよ」という許しを与えられたら、さらにあなた自身がバージョンアップできるでしょう。 勇気の要る「大人な選択」かもしれませんが、あなた自身を高めるアプローチになりますから、余裕があるときは是非チャレンジしてみてください。 嫉妬されるときもやはり冷静に対処するのが難しく、否定的に捉えたり、相手を嫌悪したり、様々なネガティブな感情が心をめぐります。 嫉妬心は価値を見ている相手に対してのみ起こる感情です。 例えば、もし、あなたが根本君から嫉妬されたとしたら、根本君はあなたの価値を見てるんですね。 でも、競争や無価値感があって素直にあなたに価値を見出せないときに根本君はあなたを攻撃するんです。 だから、広い心を持って「なんだ、自分はとても愛されているんだ。 価値を見てもらってるんだ」と受け取ることができれば、まるで違った態度を取ることができるようになります。 この記事を書いたカウンセラー.

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最近、あまり笑ってないです。久しぶりに大爆笑したいので、最高におもしろ...

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茜色した細長い雲。 柔らかい黄金色の日差しがガラス窓に反射するこの時間。 「あれ、みおちゃんもう帰るの? 早くない?」 今日の最終講義が終わり、持参したバックに丁寧に荷物を詰めて帰る準備を始めている澪を見て不思議そうに声をかける七海。 講義が終わったのなら大学を出るのが普通であるが、澪は真面目が故に疑問を持たれるのだ。 「ええ、そのつもりだけど……。 どうかしたの?」 「いやぁ、いつもみおちゃん居残りで勉強してるから今日も残るのかなぁーって思ってて」 「居残りしている日が多いのは間違いないけれど、毎日じゃないわよ?」 七海は彼氏と一緒に帰る約束をしている。 彼氏の連絡が来るまで看護大学で待機していることで澪が居残りをしていることを知っているのである。 「あー。 そういえばみおちゃん、月曜日だけは早く帰ってない?」 「ええ、その通りよ」 「習い事とか何かしてるの? みおちゃんのことだからしててもおかしくはないけど……」 「ううん、そんな立派な用事じゃないわ。 飲酒店よ」 「んえっ!? 飲酒店!? みおちゃんお酒飲むの!? 」 「私だって嗜む程度には飲むわよ。 そんなに驚かなくてもいいと思うのだけれど……」 今までに酒の話題を出したことがなかったからこそ、七海は驚嘆を示す。 澪が酒の席に通い出したのは半年ほど前のことである。 「飲酒店ってことはBarに行く感じだよね!? 」 「ええ。 私のお母さんの知り合いが経営しているお店で良くしてもらっているの。 今度七海も一緒に行ってみない?」 「んー、うちはいいかな! お酒にあんまり詳しくないし、Barとかオシャレなお店はどうしても気後れしちゃうから」 「それは残念……。 でも、足を運びたくなったらいつでも教えてほしいわ」 「うん、ありがと! そうさせてもらうねっ!」 笑顔でそんな約束をする二人。 性格が全然違う澪と七海だが、流石は親友と呼べる仲。 これから先も良い関係を築けていけるだろう。 「でも、みおちゃんは美人さんなんだから気をつけるんだよ? そういうトコって結構絡まれるって聞くもん。 今までに絡まれたりしたことあるんじゃない?」 「お酒が入る場所だから絡まれたりはするわよ……。 でも、大丈夫。 バーテンさん ( 、、、、、、 )がいつも助けてくれるから」 「ふぅん」 柔和な声色で安心げに答える澪は微笑を浮かべている。 澪が絡まれていた時に助けてくれたバーテンダーのことを忘れることはない。 酒の影響で、傲慢な態度や敵意をもって当たってくる客を冷静に対処し、絡まれている側への気遣いも忘れなかった あの人 ( 、、、、 )。 自身に余裕があるからこそ出来る対応であり、澪は見惚れるようにあの時の経験を記憶に刻んでいた。 「信頼してるんだねぇー、みおちゃん。 そのバーテンさんを」 「な、なにか言いたげね……」 片方の口角をあげてニマッとしている七海に、ジト目で訴える澪。 「いやぁ、みおちゃんが幸せそうに語ってたからそのバーテンさんのことを気に入ってるんだろうなって」 「し、幸せそうには語ってないわよ……」 「あー、あれか! あれでしょ!! そのバーテンさんをお世話したい……みたいな! みおちゃん過保護だし、なんか年上好きそうだし!! 」 看護大学を卒業すれば、看護師や保健師の国家資格を生かして総合病院や国公立、私立の大学病院等に就職することになる。 怪我や病気で生活が不自由になった人のお世話をする職だ。 世話嫌いなら長く勤めることは難しく、この大学に進学していないだろう。 「もぅ、どうしてそうなるのよ。 どうして年上好きだと思われているのかも分からないし……。 そのバーテンさん私達の一つ年下よ?」 「え、ちょっえっ!? バーテンなのに年下!? ご年配の方じゃなくて!? 」 バーテンダーと聞いて二十代を浮かべられる者はほぼいない。 9割型、四、五十代がしているイメージがあるはずである。 その理由としては専門的に酒を扱う仕事だからで……七海も後者のイメージを持っていた一人だった。 「ふふっ、その人はバイトだけれどね。 そのBarで一年くらい働いているらしいわ」 「ふーん。 なるほどなるほど。 そー言うことだったんだねぇ……」 「そう言うこと……?」 「いやぁ、みおちゃんはその人のことが気になってるんだーってねぇ?」 「ど、どうしてそうなるのよ……っ」 「だってさー、そのバーテンさんは月曜日のシフトに入ってるわけだよね? そしてみおちゃんは月曜日だけ早く帰る。 つまり、そのバーテンさんに会うために予定を合わせてるようなもんじゃん!」 「……」 「ほらぁ、なにも言えない」 得意げな表情で追求する七海は、じわじわと顔を近づけてくる。 「ち、違うわよ……。 少しぼーっとしていただけ」 「ほー、じゃあ説明してよ。 出来るはずだよねー?」 「……そ、それは……。 その……」 頭の回転が早く、言葉を繋ぐことが得意な澪だったが声を吃らせてしまう。 七海の発言が的を得ていたのだ……。 こうなってしまうのも仕方がない……。 そしてーーあの人のことを脳裏で浮かべてしまった澪は、両手をもじもじとさせながら顔を伏せてしまう。 「ほらー、言葉が出てこないじゃん! 好きな人の話題でおかしな反応をしてると思ったらそういうことだったのかぁ〜。 なるほどねー、なるほどねぇ!! 」 「だ、だから違うのっ! わ、わたしはその人のことを好きなわけじゃないのっ!」 「まぁまぁ、いいじゃんいいじゃん! 好きな人が出来たってさ! 「は、話を聞いて……っ!! 」 「でもぉー。 好きな人を相談してくれるって言ってたのにみおちゃんってば酷いよ〜。 もう出来てたんじゃん!」 にひひ、とからかいの笑みを見せながら澪の肩をバシバシと叩く七海。 先ほどの反応を見れば誰がどう見ても『その人のことが好き』と捉えるだろう。 「だ、だから 違 ( ちが )ーー」 「ーー今ままで散々男を切ってきた理由はソレだったんだねぇ。 みおちゃんはその人に夢中ってことかぁ」 親友の仲だがらこそ 執念 ( しゅうねん )深いからかいをしてくる。 だがしかし、それは仕方がないことでもある。 今まで澪に色恋沙汰の話は何もなかったのだから。 澪にも彼氏が出来るかもしれない……なんてことは、七海にとっても嬉しい話題であった。 「ほらぁ、早く帰らないとそのバーテンさんに会えないよ? たっくさん時間作るために急いで帰りなさいな?」 「も、もうっ!! もう知らない……っ」 追求の嵐、からかいの旋風に 容量 ( キャパ )がオーバーしたのだろう。 夕日に負けないほどの赤みを帯びた澪はバッグを抱えて教室を走りさったのであった。 **** 「あちゃあ、からかいすぎた……。 これは謝らないとだ……」 逃げ去るように帰った澪を見て独り言を零す七海は、スマホから LAIN ( らいん )を開く。 そして、『さっきはごめんね!』と顔文字つきのメールを送った。 罪悪感を覚えながらスマホを閉じる七海は……ゆっくりと自席の椅子に腰掛けた。 (……でも、あの男斬りのみおちゃんが好きになった人……か。 一体どんな人なんだろうねぇ) なんて心の中で呟きながら彼氏からのメールを待つ七海であった。

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